本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

教養としての投資入門

 

2020年8月に刊行された書籍です。

著者はミアン・サミさんという人です。

 

自分も株式投資を始めて1年ほど経ちますが、なかなか結果は思い描いた通りにはいかないものです。しかし、著者も成功するまで失敗を繰り返しています。

本文の中で投資に勝てない人の10個の脳の癖について紹介されており、それが気持ちいいくらいに現在の心理状態ともリンクするので、簡単に紹介します。

 

①「損は絶対にしたくない」(プロスペクト理論)

 

人は痛みを経験したくないので、できるだけ損失回避しようとする。特に数千円程度の損失回避をしたい傾向にある。

小さな損失に過度に敏感になることで、大きなチャンスを逃したり、行動に移さなかったりするなどして、この損失回避行動に振り回されていきます。

②「取り返すためにリスクをとる」(後悔回避)

 

損失が大きくなると回避するぞという感情が溢れ出る。

③「絶対上がると思い込む」(主観確率)

 

未来予測をして、起こる可能性が少しでもあると思うと、脳は一気に大幅に100%まで繰り上げをして、絶対に起こると思い込む癖がある。脳には「起こるだろう」か、「起こらないだろう」のほぼ2パターンしかなく、実際の確率をすっ飛ばして思い込む傾向がある。企業の収益は上がると判断すると、実際はその収益が上がる確率が数%くらいしかないにもかかわらず、確実に上がると思い込む。

しかし、株価は簡単には上がらず、この癖があるので個別株の投資が難しい。

④「願えば叶う」(ウィッシュフル・シンキング・バイアス)

 

願えばあたかも叶うような錯覚に陥るという脳の癖があります。

⑤「過去が未来を予測する」

ここ10年のチャートを見ると、株価が上がり続けているので、今後も同じように上がるだろうと思い込む癖がある。しかし、過去の株価と未來の株価にはなんら因果関係はない。脳の錯覚にすぎない。

⑥「戻ったら売ろう」(アンカリング・バイアス)

 

この癖が一番厄介。自分が買ったときの株価の値段が、何らかの意味を持っていると思い込む傾向にある。なんら意味を持たない数字で、戻ったら売ろうと思いながら、戻ることない株をずっと持ち続けて、損失がどんどん増えて、次第にマヒする。

プロの投資家は、戻ったら売ろうという発想はしない。経済状況の変化、新しい要素で未来予測の仮説が変われば、すぐに手放す。

⑦「後悔したくない」(後悔理論)

買っておけばよかったと、後悔したくないため、ついつい買ってしまう行動を引き起こす脳の癖。 しかし、癖なので認識してもなくすことはできない。しかし、自分にこの癖が強くあると知ることで、ブレーキをかけることができる。

⑧「そうなると思ったよ」(ハインドサイド・バイアス)

ことが過ぎてから、あたかも自分が正しく未来予想をしていたかのような錯覚をする脳の癖。

⑨「自分なら勝てる」(自信過剰)

 

人は1回でも勝つと、自信過剰になる癖がある。

⑩「わたしは違う」(ブラインド・スポット・バイアス)

紹介した10の癖のうち、何個当てはまりましたか?私はどれも当てはまらないと思ったら、実はそれが脳の癖。

あなただけが特別な脳を持っているという錯覚。この癖は人間が必ず全て持っている癖。どの癖が強いかは「欲」と「恐怖」の強さで変わる。

程度の差はあれ、これらの脳の癖を知ることは、投資を行う際にとても重要。

 

この著書の中で最も印象深いとこでした。これからの投資に役立てていきたいです。興味あるかたは是非読んでみてください。