本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

暗黒の日本史

多くの人が信じていることがいつも正しいとは限らない。特に歴史の場合においては、1つの事実が時間を重ねていくことで少しずつ着色されて、現代で学んでいることとは違うという事は多々にしてあるように思う。

私もまた昭和から令和へと生きている1人の人間であるが、長い地球上の歴史においては微生物のように本当に小さな小さな時間の流れの一部なのだ。

今、コロナウイルスという世界的にみても未曽有の大災害の中、それぞれが生きることに精一杯であるのは間違いない。この事実もまた、100年後や200年後にはスペイン風邪のような扱いで歴史の1ページになるのだろう。

 

さて、題名にもあるように暗黒の日本史という著書には教科書では載せられていないような有名な歴史上の人物や痕跡などに着目して記載されている。

 

●第一章 歴史の闇に消えた人物の暗号

●第二章 遺された「痕跡」は何を語るのか

●第三章 葬り去られた歴史的事件の内幕

●第四章 時代を塗り替えた男たちの光と影

●第五章 謎めく「軌跡」の裏側に隠された真相

 

で構成されている。

第一章では主に、聖徳太子、阿部清明フランシスコ・ザビエル宮本武蔵松尾芭蕉など歴史が嫌いだったという人でも一度は耳にしたことがあるような人物について迫っている。

第二章では主に建造物へスポットが当てられ、安土城出雲大社法隆寺など。

第二章の出雲大社について少し述べたい。

 

私の生まれは島根県の西部に位置する港町。県では4、5番目に大きな市(当時)だった。おそらく今も人口としてはそこまで変わらないらしいが、近隣の市町村と合併してのそれだ。島根県は全体の人口で見ても47都道府県中46位(最下位はお隣の鳥取県)、また高齢者率は全国的に見ても上位であり、後、数十年先はどうなっているのだろうと考えてしまう。

世界遺産や日本の歴史について少しずつ興味を持ちだしたのは社会人になってから。当然、その時には島根を離れており、学んでから実は島根の歴史は古いという事を知ることになる。

島根県鳥取県は中国地方では山陰地方と呼ばれ、広島県岡山県山陽地方と呼ばれる。この県の間には東西に向かって伸びる中国山地が関係している。山の北側、つまり島根や鳥取には日本海という厳しい海に隣接、冬は雪も積もるし、日射量も影響していると思うが、どうしても温暖な気候である瀬戸内海側に比べると陰のイメージであるのだ。幼いながらに山陰、山陽というネーミングに違和感を持っていた。

 

しかし、そのどこか他をよせつけない雰囲気や現実的に移動していくのも大変なことから過去に隠岐の島(島根県の沖合にある)が島流しにあっていたのも納得がいく。

先ほども少し述べたが、島根県は大きく分けると西部、東部、隠岐の島の3つで構成される。西部は隣接する山口県萩市が比較的近いという事もあり、萩といえば松下村塾など歴史上においても、長州藩の重要な拠点でもあり、栄えていた。そのため、島根県西部に津和野など栄えた町もあるし、石見銀山など世界遺産にも登録された場所もある。石見銀山はかつては世界の3分の1の銀を産出したとも言われ、貿易としても比較的開けていた。

逆に東部というのは地域の歴史が古く、出雲大社は日本書記にも載っているし、イザナミイザナミの子供である、アマテラスオオミカミ、ツキヨミノミコト、スサノヲノミコト。そのスサノヲが出雲のヤマタノオロチと呼ばれる伝説の龍を退治し、その地で生活を始めた。また、昔からその出雲の地自体が黄泉の国とつながっている場所とされていたし、古くから歴史にのる場所であった。

今では出雲大社といえば縁結びの神様といわれ、参拝する方も多いが、歴史を学ぶとさらにおもろしくなると思う。さて、その出雲大社であるが、社伝によれば、今の高さは24メートルだが、中世には48メートル、古代には96メートルあったといわれている。

2000年に発掘調査を行っていたところ、巨大な木柱が出現した。その調査によって、本殿は9本の柱で支えられ、高さ48メートルの巨大な建造物は間違いなく存在したと考えられている。また、本殿に続く階段は109メートルにも及んだといわれる。その話について、本書では5ページほどでまとめられている。1つ1つの内容については短めに構成されていて、読みやすくなっているので興味のある内容からも見やすくなっている。

古代・出雲大社本殿の復元|季刊大林

www.obayashi.co.jp

歴史に興味がある人にはおススメの本になっています。