何とも恐いタイトルですね。でも、これ子供用の絵本なんです。
地獄につながる井戸がある。ある町にはそんな噂がありました。
1人の少年は本当かどうか確かめてやる。そういって井戸を降りていくのです。
するとそこには橋があり、その橋をずっと進んでいくとまさにそこは地獄。
鬼や閻魔大王がいる。そして、針の地獄や火の地獄など、悪いことをした人はたくさんの地獄に連れていかれる。
少年は生きてはいるが、普段、友達をいじめたりしている事を知っている閻魔大王は罰を与えようとする。しかし、それはあまりにも可哀想だという事で閻魔大王の側近の小野篁さんが地獄を案内し、こういう地獄に来たくなければ悪い事をしてはいけないという事を伝えるお話し。
実はここに登場する井戸や小野篁さんは実在した人物と言われている。
そして、NHKで放送している「おじゃる丸」を知っていますか?
このおじゃる丸については、モデルは坂上田村麻呂か小野篁ではないかという事です。どちらにも共通点があるので、何とも言えませんがどちらかというと坂上田村麻呂の方の説がやや有利のような気がします。興味がある方は調べてみてください。
ここでは本作に登場する小野篁さんと井戸について深堀りしたいと思います。
小野篁(おののたかむら)
802年~853年 平安初期の公卿(くぎょう)、文人。
最後の遣唐使(病欠したらしい)だそう。では、最初の遣唐使といえば小野妹子。
小野(おのの)といえば妹子か小町か。。。よくは知らないけど、歴史の教科書には必ず出てくる有名人。
家系図を見ると小野妹子の末裔が篁。小野小町については関連についてははっきりしていないよう。
小野妹子といえば、聖徳太子の「日出る処の天子、日没する処の天子・・・なんちゃら」で隋の皇帝を激怒させた文書を隋まで運んだのが小野妹子です。
その6代後の子孫に小野篁がいます。政治や学問に優れた人物であったが、朝廷の批判を堂々とするような所があり、「野狂」というあだ名がついていた。
この小野篁さんが昼は公卿の仕事をしつつ、夜は地獄で閻魔大王の裁判の補佐をしていたなんて伝説が残されています。
六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)
六道とは、仏教の教義でいうと地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅(阿修羅)道、人道(人間)、天道の六種の冥界をいい、人は因果応報により、死後はこの六道を輪廻転生(=生死を繰り返しながら流転する)という。この六道の分岐点でこの世とあの世の境の接点がこの寺の境内と言われ、入り口が本堂裏庭の井戸と言われた。
場所でいうと京都では必ず観光名所になるであろう清水寺や八坂神社、三十三間堂などがある東山区界隈。なのに、今回こういうお寺があることを初めて知りました。
あるテレビで石原良純さんが、学生の頃に修学旅行で京都のお寺巡りをしたけど、くそも面白くなかったけど、大人になって歴史を知ってから回るとめちゃくちゃ面白いというのを聞いていて、大いに共感しました。
確かに、寺のうんちくを知って何が面白いという人もいると思うけど、物事の本質を自分なりに理解するという事は非常に重要だと思います。
身近なもので言えば、日本の行事の中には西洋文化の影響が色濃く残り、今もクリスマスやハロウィーンなど。日本風に変化していると思いますが、クリスマスはキリストの誕生を祝う日です。日本人の価値観として宗教=危ないとかそういうイメージが強いのではないでしょうか。それは最近のニュースで取り上げられる統一教会などの問題や政治と宗教の癒着など。悪いイメージを持つにも関わらず、よく知らないキリストの事を日本全体がクリスマスといってお祝いする。こういった所に大きな矛盾を感じられずにはいられません。とにもかくにも世の中が矛盾だらけなのは間違いなく、そうした中でただメディアやSNSの情報などに踊らされることなく、自分なりに本質を考えたり、自分の意見を持つという事が大事だと思います。失礼な言い方かもしれないが、メディア特に民間放送においては一企業であるし、視聴率などを上げる事が仕事だと思いますので、上げるためには芸能スキャンダルなど、一般人が飛びつきそうなネタを放送している訳ですから。
多くの情報から正しく知識を選別する力が必要になるかと思います。私自身も未熟でできるだけ、色々な本から学んだ事を正しく発信いていけるようにしていきたいと思います。