本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

ALIVE 10人の漂流者

雪富 千晶紀さん著

1978年愛知県生まれ。2014年にデビュー。

 

マダガスカル島沖で10人の日本人を乗せたボートが、エンジントラブルをきっかけに漂流を始めた。食料は尽き、飲み水もなくなり、極限状態の中で互いに反目しあって生還を絶望する。呪いの海、人食いザメ、竜の伝承、人無き孤島。そんな状況の中、10人は無事に生還できるのか。

 

本作はある人物が当時の状況を語る所から始まる。そのある人物こそが唯一の生還者である。絶望の状況からどうゆう風に生還したのか。物語としては、時系列に沿って丁寧に描かれてる。清野継人という大学生が生物学を学んでいる事もあり、生き残るために必要な知識を有していた。彼は無気力な大学生であったが、このサバイバルを機に生きる自信をつけていく。そして、同乗していた渡辺玲央と恋仲になる。彼らのどちらかが生き残ったのか、はたまた別の誰かなのか。

面白かったので是非読んでみてほしいです。

 

私が、この作品をちょうど読み始めた頃に、知床沖の観光船沈没の事件をテレビで見た。観光船は海底120mの所に発見、今もまだ行方不明の方々もおり、一刻も早く皆さまが見つかることを望んでやみません。北海道の海は夏でも冷たく、この時期のオホーツク沖は本当に寒かったろうと思います。自分の子供と同じくらいの子もおり、2度とこのような事件が起きてほしくないです。知床自体は自然も素晴らしく、本当に素敵な所です。一部の方のこういった行為が見逃されることなく、また元の姿に戻ってほしいとも思います。