本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

桜木紫乃

硝子の葦  桜木紫乃

桜木先生の本を久しぶりに読了。 直木賞を受賞した「ホテルローヤル」も登場するこの作品。 続編かと思いきや全く関連はないよう。 ホテルローヤルを営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明の重体になった。 その妻、幸田節子は30歳で喜一郎とは年の離れた妻で…

家族じまい 桜木紫乃

2020年に発行の本作。 親の終活、老々介護。親の老いを見つめる家族の行き先とは・・・ 看護師の仕事をしていると、正直な所、どんな病気よりも、元気な認知症が一番厄介であると感じている。(あくまで個人的な感想であるが) 昔の記憶はあっても、近時…

ふたりぐらし 桜木紫乃

2018年に発行の本作。 40歳の元映写技師の信好と看護師の紗弓。 北海道(主に札幌から江別が舞台)の片隅で静かに暮らす夫婦の短編集。 夫婦には、小さな嘘や隠し事があるもの。それは自分のためでなく、関係を維持するためのものだったりする。 2人…

桜木紫乃さん 氷平線

氷平線は桜木紫乃さんの第一作品集。全部で6編で構成。 雪虫 2002年にオール讀物新人賞を受賞したデビュー作。十勝平野を舞台に繰り広げられる男女の話。 霧繭 和裁師として独立した女性の話。舞台は釧路。春採湖や市立病院、漁業や炭鉱といったキーワードが…

桜木紫乃さん 起終点駅(ターミナル)

ターミナルは6つの短編から構成されている。 私の場合は、ターミナルに関しては映画化されたので、映画を見た後、原作を読みました。映画「ターミナル」は2015年11月7日に公開されました。 主人公の鷲田完治は30年のキャリアを持つ国選の弁護だけを引き受け…

桜木紫乃さん 蛇行する月

釧路の高校を卒業してまもなく、20以上も年上の和菓子職人と駆け落ちした順子。親子3人の貧しい生活を「しあわせ」と伝えてくる彼女に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた高校時代の仲間は引き寄せられる。わたしにとって、本当のしあわせとは何か?ままならぬ人生…

桜木紫乃さん ラブレス

謎の位牌を握りしめて、百合江は死の床についていた。彼女の生涯はまさに波乱万丈だった。道東の開拓村(標茶町)で極貧の家に育ち、中学卒業と同時に旅芸人一座に飛び込んだ。一方、妹の里美は地元に残り、理容師の道を歩み始める。流転する百合江と堅実な…

桜木紫乃さん ブルース

没落した社長夫人が新聞に見つけた訃報、それはかつて焦がれた6本指の少年のものだった。霧たちこめる釧路で生まれた男が、自らの過剰を切り落とし、夜の支配者へとのしあがっていく。男の名は影山博人。貧しく苛烈な少年時代を経て成熟していった男は、女た…

桜木紫乃さん 風葬

桜木紫乃さん 氷の轍

釧路方面本部刑事課シリーズ第2弾。今回は、松崎比呂ではなく大門真由が主人公として物語が進んでいく。生涯独身で最後の最後に殺害された滝川信夫が守ろうとしたものは。。話を読むにつれ切なさがこみあげてきました。

桜木紫乃さん 凍原

先日、氷の轍という作品を読んだ。その前作といえるのが凍原だ。男女の物語を描く作品が多い桜木さんであるが、その男女の物語も織り交ぜつつ、サスペンスへと仕上げた作品だと感じている。 松崎比呂は釧路の刑事課に着任することになった。自身の弟の失踪、…

桜木紫乃さん ホテルローヤル

桜木さんの代表作といえば直木賞を受賞された『ホテルローヤル』ですね。 舞台は釧路市の隣町である釧路町のラブホテルが舞台になっているということで・・・ 足を運んでみました。 今はホテルの跡形もなく、一時期は更地になっていたという事でしたが、太陽…

桜木紫乃さん 無垢の領域に触れ

先日、ニュースで釧路市の人口が17万人を下回ったという報道がありました。20万都市と言われたのは随分前の話しになってしまいました。人口減少の煽りは地方都市ほど強く影響を受けているように感じます。 しかしながら、閑散としていた駅前通りにも新たな大…

桜木紫乃さん それを愛とは呼ばず

現在、私は北海道の道東に位置する釧路という町に住んでいます。早いものでかれこれ15年以上は在住しているでしょうか。 ここ最近になり、色んな事に興味を持ち始め、その1つに読書があります。もともとはミステリー系が好きで、専らミステリーなどを読みあ…