ふたりぐらし 桜木紫乃
2018年に発行の本作。
40歳の元映写技師の信好と看護師の紗弓。
北海道(主に札幌から江別が舞台)の片隅で静かに暮らす夫婦の短編集。
夫婦には、小さな嘘や隠し事があるもの。それは自分のためでなく、関係を維持するためのものだったりする。
2人の視点が交互に展開される構成にもしてあり、読みやすい。そして夫婦ならではの共感できる部分が随所に出てきます。
映写技師:映写を行う技師であり、つい一昔前までは映画館の1つの映写室に1人の熟練した技師が必要であった。しかし、時代の流れっもあり自動化も進み、そこまでの技術が必要とされなくなった。
信好もまた、映写技師としての仕事はほぼなく時々あるイベントや映画評論や脚本を送っている毎日であり、ほとんど収入はなく、看護師の妻が主に生計を支えている。
そうした2人の関係を中心にお互いの心情やその取り巻きの両親などとの関係を軸に話が展開される。
夫婦とは何か、とても考えされられる作品でした。
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