釧路の高校を卒業してまもなく、20以上も年上の和菓子職人と駆け落ちした順子。親子3人の貧しい生活を「しあわせ」と伝えてくる彼女に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた高校時代の仲間は引き寄せられる。わたしにとって、本当のしあわせとは何か?ままならぬ人生を辿る女たちが見出した、ひとすじの希望。生きることへの温かなエールが胸に響く物語。
1984 清美
清美は高校時代の友達。道立湿原高校という学校が紹介される。湿原の端っこを埋め立てた、水の上にぽっかりと浮いたような場所にあった。とある。
釧路は南大通りを中心としてそこから鳥取からの移住者の受け入れを開始し、鳥取や昭和方面へとどんどん開拓されていく。湿原という土地で寒さも厳しく当時はたいそう厳しかったと聞く。この高校のモデルは現在の釧路商業高校かなと推測している。
今でこそ新興住宅街の一角であるが、もともとこの辺り一帯は湿原であった。
1990 桃子
桃子も高校時代の友達。
1993 弥生
菓子や 幸福堂の女将。駆け落ちされた妻の物語。
2000 美菜恵
高校時代の友達。高校時代の先生と結婚する。その発起人を依頼するのは清美、桃子、直子の3人。角田直子は看護師のよう。2人はタクシーで居酒屋を後にするが花園経由で愛国へ。
花園も愛国も現在もある地名。花園には釧路労災病院が存在する。そのため、角田直子は釧路労災病院の看護師という推測である。
2005 静江
順子の母。スーパーしんとみで働いている。
2009 直子
高校時代の友達。おそらく労災病院の看護師。
桜木先生は女性の揺れ動く心情を巧みに表現する作品が多い。この作品でも女たちの物語を通じて描かれている。読みやすい作品なのでぜひ。