本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

私の命はあなたの命より軽い  近藤史恵

以前、近藤さんのインフルエンス拝読。今回、タイトルに惹かれ読んでみることに。

遼子は出産を間近に控えていた。夫、克哉と共に初めての出産に向かっていると思っていた。ある日、夫は会社からの命令で半年間のドバイへの赴任を命ぜられる。

遼子は不安を口にし、できれば赴任してほしくないと願う。しかし、克哉と言えば会社からの命令とはいえ、どこか出産に対して、短絡的で実家にお願いしてみたら?軽い口調でいう。そんな克哉の姿にどこか不信感を抱きつつも、1人での出産は不安なため、大阪の実家に電話することに。母は妊娠に対してとても喜んでくれていた。そのため、急遽決まった実家への帰省も断りはしないだろうと考えていた。電話で母に報告すると、少し考えさせてほしいとの返事。電話先での違和感を感じた遼子。数日後、母から了承の電話はあった。しかし、電話で話した件以来、違和感のようなものを感じつつ帰省することに。そして、その違和感は徐々に現実のものになっていく。仲の良かった家族だが、実家に帰ってからというもの、常に違和感がある。母、父、そして妹の美和。その3人の態度や言動にどこか違和感がつきまとう。なぜなのか?そして、新築して1年も建たない家を急いで売却しようとしている父。そして、美和はこんな家売れる訳ないと。

遼子が結婚を機に東京を行ってから家族に何があったのか?年の離れた妹の美和はいつも姉の遼子を慕いついてまわっていた。父も美和にべったりであった。それが、今では口数も少ない。実家にいる間に遼子は旧友などと再会する内に徐々に過去に起きた事件を耳にすることになり、そしてそれが我が家に関係している事を知る。事件の結末に近づくにつれ、驚愕の事実が明らかになっていく。

そして、タイトルの「私の命はあなたの命より軽い」に込められた事件の真相も明らかになる。命は平等ではないのか?

ページ読む手が止まらなくなる本です。