本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

晩歌

この小説は昭和31年12月に刊行されました。著者の原田康子さんは、東京生まれ、生後1年で父の赴任地である釧路に移住しました。

 

作品は北海道、主に釧路を中心とした道東が舞台になっています。幾つかの愛のかたちが組み合わされており、女主人公である兵藤怜子と妻子のある建築家桂木との愛を軸にそれに交差するさまざまな愛。引き込まれる物語に一気読みしてしまいました。釧路が舞台といえども建物などは現在と一致しないものが多かったですが、地形や昔からある山や川の様子から当時の釧路をイメージしながら愉しく読むことができましまし、まさに愛を描いたというところからも、後の釧路の代表的な作家になった桜木紫乃さんが原田さんに影響を受けたというのも納得がいきました。桜木さんも愛を題材にしていた作品が多く好きな作品も多々あります。

是非、一度晩歌を読んでみてください。