本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

悪党 薬丸岳

以前、薬丸さんの「天使のナイフ」紹介しました。

 

kitanoatuo.hatenablog.com

今回の悪党についても少年犯罪を中心とした加害者と被害者のその後を中心に描く作品になっている。主人公の佐伯は元刑事で今は探偵事務所で働いている。佐伯自身も中学生の時に高校生の姉を亡くしている。未成年に蹂躙されて・・・

そんな過去を持つ佐伯が探偵事務所に訪れる人々の依頼を受けるうちに、自分自身も姉を殺した犯人を追う事を決意する。

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しかし、少年犯罪については旭川のいじめ事件などもそうであるが、いじめとして認定するまでにも時間がかかるし、難しい問題なのもわかる。すごくデリケートな問題である。加害者の中には本当に更生しようとするものもいれば、そうでないものもおそらくいる。人の心の中なんてものは自分にしかわからないのだから。

だから、こうした問題を考えるだけで、真摯に向き合う時間が増えて、未然に防ぐ可能性が高まるのではないか。

ja.wikipedia.org

本作品の中でも、被害者家族の犯人を憎く思う気持ち、忘れ去りたい気持ちなど様々な葛藤は自分の家族が同じ目に遭わされたらどうするだろう、冷静でいられるかなど考えさせられるのでぜひ読んでほしいです。