本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

つなげてみれば超わかる 日本史×世界史

確か高校2年の時、社会科から世界史、日本史、地理に分かれてそれぞれ専攻した記憶があり、地図とかが好きだったので地理を専攻した。そして世界史はカタカナが多いし覚えるの無理だぁ~と思っていた。言い方はあれだが、高校の2年の時なんてすでに大学受験を意識しての選択だったように思う。

大人になって、今は看護師の仕事をしているが、薬の名前がカタカナすぎて、そしてどんどん後発薬が発売されて自分の頭のスペックでは治まりきれず、覚えられないと嘆く日々。

大人になってから世界遺産が好きで、日本をはじめ世界の遺産を学ぶと1つの遺産から見えることが実に多い。そして今回紹介する本もびっくりするくらいわかりやすくて面白かった。

今の授業ではどう習っているのかよく知らないけど、社会ってやはり分離すべきではないんだと思う。世界史も日本史も密接につながっているし、もちろん地理的な要素もそこに絡んでくる。

ただ、○○年に日本の種子島に鉄砲が伝来と記憶しても時系列が単体でゴロ合わせとかで覚えたもの。時間に限りがあるのはわかるが、そうした学びはまったくもって知識の習得にならずあくまで大学受験あでの中期的な記憶に過ぎず、それ以降はそういったものに関係ない仕事に就けば、どんどん忘れていくのだ。

この本では1543年に中国の密貿易船が、種子島に漂着(おそらくもともと日本には用事がなかった?)。この船に乗り込んでいた2人のポルトガル人が鉄砲を携えていた。領主の種子島時尭(ときたか)は、2000両(現在の数億円に相当)で、鉄砲②挺を買い取る。このうちの1つを刀鍛冶の八板金兵衛に渡し、作り方を研究させた。その2年の1545年に国産の第1号が完成したという。

その時代、日本は戦国時代の真っ只中。おそらく、時尭は高いお金を払ってでもこの先に必要となると見こしての先行投資をしたのだろう。日本の刀鍛冶は腕がいいと評判であったため、日本刀などは品質がよく、中国の明帝国は評価していた。同じ、鉄製品という事もあり、作り方さえわかってしまえばコピーはたやすかったと思う。

そして、1575年などには有名な織田信長の「長篠の戦い」。ここでは約3,000挺もの鉄砲が使われたという。1545年からわずか30年もの間に、鉄砲は戦いの最前線に繰り出していたのである。

戦国時代の日本はたちまち、本家のヨーロッパ以上の鉄砲保有国になり、世界一の軍事大国になった。

日本が戦国時代にある時期、ヨーロッパ諸国は武力を背景に、東南アジア各地を植民地化していった。しかし、日本の軍事力を前にしては、ヨーロッパ勢力も手を出すことができなった。こうした歴史を学ぶと、鉄砲は戦争を劇化したかもしれないが、その結果他国からの侵略を免れ、結果、そのまま江戸時代へと突入し泰平の時代を迎えることになった。

 

オーストラリアの方ではよくイギリスの国旗の入った国が多いですよね。かつて植民地された国々ですが、スペインとポルトガルもまた海洋王国で世界を席巻した2国ですよね。世界遺産を学んでいると、南アメリカや中東にはスペイン領土が多く、日本にはポルトガル人のフランスシスコ・ザビエルが伝来するなどあちこちに息がかかっています。

ヨーロッパで流行したペスト。14世紀半ばペストがたびたび流行しており、黒い斑点をを浮かび上がらせて悶死することから、黒死病と呼ばれ恐れられていた。このペストでヨーロッパの人口の3分の1を失ってしまう。人々は薬を求めていたが、当時最も効くと言われていたのが、東南アジア産の香辛料だった。

しかし、香辛料はとても高価なものだった。ヨーロッパとアジアの間を結ぶイスラム勢力が、アジアで香辛料を買い付け、莫大な仲介料を課して、ヨーロッパに売りつけていた。「イスラム勢力を介さずに香辛料を手に入れたい」という思いが、大航海時代をもたらすきっかけになった。

先ほど述べたポルトガルとスペイン。まさに大航海時代の主役です。ポルトガルには発見のモニュメントやベレンの塔など有名な世界遺産があります。発見のモニュメントにはエンリケ航海王子を筆頭に約30人のポルトガル人の銅像がある。

ヴァスコ・ダ・ガマフランシスコ・ザビエルなど日本でも馴染みのある人物の銅像もある。

発見のモニュメント - Wikipedia

発見のモニュメント - Wikipedia

その2国は、航海にあたり、1494年のトルデシリャス条約と1529年のサラゴサ条約により、世界を勝手に分割支配することを決めていた。そして、彼らは、目星をつけた場所にキリスト教宣教師を送りこむ。教えを広め、慈善事業を行い、信者を増やす。その後、ヨーロッパ商人が商取引で現地経済をマヒさせ、抗争が起こることで武力で制圧。インドも東南アジアもこうした方法で、スペインやポルトガルの植民地となった。日本においても、キリシタン大名などもいたし、天草四郎なども有名であり、キリスト教が日本にも影響したのは間違いないと思います。

もちろん、だからといって、キリスト教が悪いとかどこの宗教がいいとか悪いとかを述べている訳ではなく、歴史を正しく知るという事は非常に重要な事だと感じています。

宗教はもちろん、人々の救いの手にもなるのかもしれないが、時として人々を熱狂させる。過去にも宗教を通じた大きな戦争もありましたし。恋愛を同じようなものかもしれません。好きという気持ちが強くて、冷静な判断を鈍らせるという意味で。

この条約の2つが大きく、こうした事を知っていると南アメリカ大陸中南米にスペイン領土が多い理由やフランシスコ・ザビエルが鹿児島に来日した理由などもわかります。その前のポルトガル人が種子島だったことも。1529年のサラゴサ条約は東経144度30分付近で日本の岡山辺りを通過しているので。

 

1冊の本で世界史と日本史がリンクしながら学ぶことができるので、とてもおススメだと思います。世界経済が混迷している状況の中、世界の歴史を学ぶことで、ロシアとウクライナの関係だったり、これからも色々学んでいきたいとおもいます。