本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

むらさきのスカートの女 今村夏子

今回、初めて今村さんの作品を読みました。

「むらさきのスカートの女」は第161回芥川賞受賞作品。

なんとも言えぬ世界観。普段の日常を描くその中に「わたし」という人間が存在し、わたしという人間は異常なまでにむらさきのスカートの女が気になってしょうがない。そして、友達になりたいと願い、自分と同じ職場で働くように誘導ししたり、日常を観察する。「わたし」は黄色いカーディガンの女よ。と

異常なまでに観察する姿はもはやストーカー!?とも言える。

「わたし」の存在は、読み進めていくと名前はおそらくこの人か。と徐々に明らかになるが、存在感がまるでない。

「わたし」は自分の存在感のなさから、同じような雰囲気を醸し出すむらさきの女の存在が気になり、友達になることで、自分という存在を認めてもらいたいのかなという印象を受けた。

ページ数的には160ページ弱で、日常の生活を描く作風から読みやすく一気読みもできる作品。読了後は人それぞれ、色んな感想を持ちそうな作品です。