人間の顔は食べづらい 白井智之
まずタイトルに衝撃ですよね。
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2014年に発売された本作は世界的に流行した新型ウイルスを取り扱っている。
まるで数年先の未来を予想したかのように。
新型ウイルスは食物連鎖で多種多様な生物に感染し、多数の死者を出した。
ヒトにのみ有効な抗ウイルス薬を開発した人類。
動物からの感染を恐れた人類は肉食を避け、野菜を中心とした生活を送る。
しかし、子供を中心に肉を食べない事での弊害が生じ始める。
そこで、目をつけたのが人肉である。人肉法という法律を制定し、人間のクローンを食用に飼育するようになる。
食用クローン人間の飼育施設で働く柴田和志。
ある日、首なしで出荷されたはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が発生する。出荷班で勤務していた和志は容疑者とされる。
タイトルもインパクトがあったが、内容もトリッキーで最後の結末に至っては予想だにしない展開であった。
後半にかけ、若干尻すぼみ感が個人的にあったが、内容は今までに読んだことがないようだったし、人肉という分野にフォーカスしたのは驚きだった。
王道のミステリーとはまた違った視点で読めるので、興味ある方は読んでみてください。