本好きナースマン

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岸田総理、この本を読んで フィンランドはなぜ「世界一幸せな国」になったのか  岩竹美加子

著書の岩竹さんは1955年東京生まれ。

1991年から30年以上にわたりフィンランドで暮らしている。

フィンランドソ連スウェーデンにという大きな国に挟まれ、貧しい国だった。

人口は約553万人。14世紀頃から1809年までスウェーデンの一部であり、ナポレオン戦争後の1809年にロシアに譲渡され、1917年のロシア革命後の独立までロシアの自治大公国だった。その後もWWⅠやWWⅡという大戦を経て、しかし1991年のソ連崩壊までロシアの影響を受けていた。ソ連の崩壊は経済的には影響が大きかったが、経済的には朗報となった。

2000年、フィンランドPISAOECDによる、15歳の子供の学習到達度国際比較)で1位になり注目を浴びる。

PISAは3年ごとに行われるテストで、読解リテラシー、数学的リテラシー、科学的リテラシーを主な分野としている。

その後、ジェンダーギャップ指数や世界幸福度レポート、デジタル化なども世界のトップに位置づけられるようになった。

2021年のフィンランドは156か国中、総合2位、政治2位、経済13位、教育1位。

それに対し、日本は総合120位、政治147位、経済117位、教育92位という結果である。

世界幸福度レポートは「国連持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」が2012年から始めた調査で、人口当たりのGDP、社会的支援、健康寿命、人生の選択自由度、他者への寛容性、政治への信頼度を主な項目としている。

フィンランドは2018年度から5年連続で1位。2022年の日本は、146か国中54位。

 

 

本作品では働き方、デジタル化、出産や育児、医療・介護などの分野について紹介されている。

フィンランドと日本では人口の規模も違うし、実現不可能なことも多いと思う。

しかしながら、軒並み上位のランキングをつけるフィンランド。参考になることは多いと思う。岸田首相、是非参考にしてみてほしい。

岸田首相、異次元の少子化対策と発言してから先日の育休中における学びなおし発言についてはガッカリしました。私は9歳と5歳の父親ですがまだまだ手がかかります。

小さい頃はもっともっと大変でしたが、夫婦で力を合わせなんとか共働き、正社員という形態を維持できています。しかし、2人だけではどうしようもできない時、妻のご両親が市内にいるので助けてもらうことも多々ありました。

正直、子育てに関しては成人し自立するまでは手がかからないという事はありません。

産休や育休というのはお腹の中でしっかり胎児を育てる時期、育休中も一瞬たりとも気が休まらない大変な時期。産休や育休ではなく、産労や育労という言葉にしてもいいくらい大変な時期で労働してます。

出産一時金などの助成金もうれしいですが、そんな小手先、目先の政策ではもうこの超少子化は止まりません。出生数は80万人を下回ってきました。仮にみんなが100年時代を生き抜いたとしても100年後8000万人の計算です。それが最大値です。病気や事故や自殺などさまざまな条件で亡くなっていく方を加味するともっともっと少ないです。

そして、女性が安全に出産できる時期や体力も限らています。もちろん、高齢でも出産する方はいらっしゃいますが、一番が母体が元気な時期に1人ではなく、最低2人以上の子供を産んでもらわないと増加には転じません。

女性が結婚したい、子供を産みたいと希望が持てる日本ですか?正直、そうは思いません。自分が生きるのが精一杯の状況で結婚し、子育てに追われるくらいなら結婚しない方がいいと思う男女も多いですし、結婚はしたいけど、収入に不安があるという多い。

そして、何より岸田総理。今回のような発言をするあたり本当に子育てにあまり参加してこなかったんだなと思われても仕方がない発言です。今、一生懸命子育てに参加している男性は女性が本当に大変って知っています。国の代表がそういう発言をすることは女性軽視にもつながります。日本の男性の多くはまだまだ育児や家事に協力的でないと思います。そして、働く世の中もそうです。

異次元の改革をするというのなら、収入の増大、働く女性がキャリアを捨てることなく出産・育児にあてる時間の増大、社会の理解、そしてそれを支える男性の意識の変革。子育て期における支援など様々な要因がなければ正直無理だと思います。

頭がよく、お金のある富裕層の税金を上げるといっていましたが、その方々は早々に見切りをつけ、経済的に力のあるアメリカや成長国の東南アジア、もしくは子育てに優しい北欧など、そういった国に移住しちゃいますよ。日本に残るのは海外にいけない下流から中流の国民のみ。そうすれば、益々国の発展は停滞するでしょうし、本当に深刻な時期に来ていると思います。