誘拐遊戯 知念実希人
色々と知念さんの作品読んできて、どれも好きだけど、今回読んだ誘拐遊戯は個人的に3本の指に入るくらいの面白さで、ストーリーや真犯人の衝撃度も高かった。
もともと「あなたのための誘拐」という作品を改題し「誘拐遊戯」にしたという事だが、遊戯って遊び戯れることであり、誘拐なのに遊戯とは?という感じであった。犯人は誘拐することを楽しんでいるのか?
そうした疑問はきちんと最後に理解できる。とにかく犯人の動機に関してはん~という感じであるが、真犯人がわかった時の衝撃度はやばかった。
400ページほどの作品だが、読む手が止まらず、一気読みできる作品。
東京・白金で暮らす女子高生が誘拐された。身代金は5000万円。犯人を名乗るのは、4年前の女子中学生誘拐事件の犯人「ゲームマスター」。
犯人は交渉役に元警視庁刑事の上原真悟を指名。上原は現在は警備員だが、4年前の事件であと一歩の所でミッションクリアができず、誘拐された女子中学生も遺体で見つかった。その責任の重さに耐えられず、上原は刑事を辞職することに。そして、上原はそれから、ただ生きているだけの人生を過ごしていた。
ゲームマスターはあえて上原を指名。犯人の狙いは?上原は自分の手で決着をつけると決意し、膵臓癌を患い、余命数か月の体に鞭を打ち、犯人を追うことに奔走する。
しかし、上原の頑張りもむなしく女子高生もまた遺体で発見される。ミッションクリアとならなかった上原にゲームマスターからの罰ゲームが繰り出されることに。自分の愛するものたちが狙われる上原。上原は真犯人にたどりつき、愛するものたちを守ることができるのか・・・