本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

ひとつむぎの手  知念実希人

久しぶりに知念さんの本、読みました。

知念さんの作品は医療系が多いですが、医療とミステリー、医療とファンタジーなど組み合わせのものが多いです。

今回の作品は大学病院で巻き起こる派閥のような権力争いのようなものが中心なのかと思い進めると、後半は感動で泣く場面が多かったです。

主人公の平良祐介は、心臓外科医で中堅医師である。心臓外科医はあまりの過酷さに希望する医師がいなくその後継問題を危惧されていた。そんな中、医局の最高権力者の赤石教授に3人の研修医の指導医を指示される。そして、3人のうち2人以上を心臓外科医に入局させることができれば、兼ねてから希望していた病院への出向を検討される。

3人の研修医と過ごす1か月。研修医たちは何を感じるのか、そして平良はどうなるのか。1~3章ではそれぞれの研修医と平良、そして患者との関りを中心に物語が進む。平良は患者とどう接しているのか、研修医たちは何を学び感じるのか。

同時進行で、赤石教授が過去に研究文書で改ざんし不正をしたという怪文書が流れる。そうした状況もあり、心臓外科医は評判がおち、医局内の統制もままならない状況に、そして過労により、赤石教授も倒れる。

怪文書を送った犯人は誰なのか?その目的は?そして、真実はいかに?事件性の物語と研修医と平良の成長記録。さぁ最後はどう物語が決着するのか。

泣ける1冊なのは間違いなし。ぜひ読んでみてください。