本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

ちょっと一杯のはずだったのに  志駕 晃

1963年生まれ。

第15回「このミステリーがすごい!」大賞・隠し玉作品『スマホを落としただけなのに』にて2017年にデビュー。

続編のシリーズに囚われの殺人鬼、戦慄するメガロポリスなどがある。

 

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今回の作品は秋葉原FMの人気パーソナリティの西園寺沙也加が殺され、彼女に最後に会った、ラジオディレクターの沙也加の恋人矢嶋直弥に疑いがかけられる。死体の首には、矢嶋が沙也加からもらったネクタイが巻かれており、警察として矢嶋で間違いないと疑っている。しかし、当の矢嶋といえば沙也加の家に行ったことは認めるも泥酔していて、記憶がほとんどない。矢嶋は本当に沙也加を殺してしまったのか、事件の舞台となった沙也加の自宅は密室現場となっており、泥酔の矢嶋が密室を作り上げることができたのか。矢嶋は自ら密室現場の謎に挑み、事件の真相を調べることになる。

さぁ犯人は誰なのか?それは読んでのお楽しみ。

作品のタイトルがスマホシリーズに寄せている感じがするなと思ったら、作風も似ている印象を受けた。しかし、スマホシリーズに比べると猟奇的な感じというよりは、殺人事件は起きているが、少しコミカルな感じを受けた。警察も状況証拠から考えると、矢嶋でほぼ断定してしまうような状況がありつつも逮捕には踏み切らず、矢嶋と何度も面会し、矢嶋の行動をそこまで監視するような素振りも見せず、むしろ事件の謎を解き明かせというな迫り方をする感じが何ともいえない。面白い作品だったと思います。