本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

前頭葉バカ社会  和田秀樹

タイトルがいいですよね。

和田さんと言えば、「バカ」についての著書を数多く執筆されている。

バカと表現しているが、決して侮辱している訳ではなく、叱咤激励の言葉として本書で述べている。

世の中の9割はバカでほとんどが前頭葉バカになってしまっているという。

前頭葉は思考力、判断力、集中力、創造性、意欲、感情のコントロールなど司り、変化に対するための重要な役割がある。

この本を読むことでしっかりと自己分析ができ、自分がバカだと認知し、自分の頭でどうするべきか、それを考えるだけで最初の1歩になるだろうと思います。

衰退していく日本、その現実について世間やメディアに煽られて一緒になって物事を揶揄するのではなく、自分自身の頭で考えてどうするべきなのか論理的に判断すること。それが必要ですね。SNSでは匿名で投稿できるというある種のバリアに守られている事で、自分の感情のままに攻撃的な言葉で誹謗中傷する事が多々ありますが、もしそれが実名で投稿されればそこまで過激になることはないでしょう。なんたって私たちは日本人ですから。

どこか外国の表現で沈没した船に色々な国の人が乗船していて、飛び込まないと助からないという時、それぞれの国の人はどういう言葉をかけたら飛び込むのかという言葉で、アメリカの人は飛び込んだらヒーローになれり、ロシア人はウォッカの瓶が浮いている、イタリア人は飛び込んだらモテる、韓国人は飛び込んだら日本人に勝てるなど、その国の特性で表現されることがありますが、日本人はみんなが飛び込んでいるから大丈夫。と表現されます。まさにそれが今回の和田さんの本の中でも述べているようなことだと思います。周りがしているからとか、同調圧力に負けて逆らわない。いわば自分の前頭葉をたいして使わないで物事を行うことが前頭葉バカにしてしまうと。

ぜひ読んでみてください。きちんと自分を理解し、社会を理解し、俯瞰的に論理的思考(クリティカル・シンキング)で世の中の多くのバイアスに一歩立ち止まって考える。これは1人1人に求められることだなと考えさせられました。