希望が死んだ夜に 天祢涼
天音さんの書籍初めて読みました。
ラストは切ない。泣けます。
14歳の女子中学生が、同級生を殺害した容疑で逮捕された。殺人をしたことは認めたが、なぜか動機は話さない。
希望の希がねがうとも読むことから名づけられた、冬野ネガ。
県警本部の真壁と多摩警察生活安全課の仲田という異色のコンビがその事件に迫る。
真壁は上から完落ちさせることを期待されており、早く事件解決をしたいと目論む。しかし、仲田は相手は中学生。相手の気持ちを想像しながらではないと本当の動機についてはわからないと話す。ネガは真壁の取り調べに黙秘を貫く。
48時間以内に検察に送検しなければいけない。時間はない。
真壁と仲田のコンビはネガの周りの人間関係について調べていく。
そんな中、徐々に明らかになっていく事実。
殺害された相手は春日井のぞみ。のぞみはクラスでも人気のお嬢様で優しく面倒見もよく、吹奏楽もできていわば優等生。ネガは貧困家庭で育ち、性格も暗く、クラスでも存在感がない。ネガとのぞみ。名前に共通点のある2人。2人の接点はいかに。そしてネガがのぞみを殺害したのか?動機は何なのか?もしネガが殺していないとしたら真犯人はいるのか?
青春を見事に描きながらミステリーもあり、ラストの真相は涙なくして読めない。
文体は読みやすくとても面白かった作品です。
リンク