水族館ガール3巻まで読みました。
主人公の嶋と梶の恋愛については2人とも不器用で共感しづらい所は多いですが、水族館の事をしる本としては勉強になることも多いです。
1~2巻ではイルカがメインでしたが、3巻になって嶋が臨時でラッコの担当をすることがありました。
皆さんはラッコについてどうイメージしていますか?
https://twitter.com/satoco_xiao/status/858695049818775552?lang=tr
愛らしくてお腹を上で貝を割って食べる海の生き物。自分自身もあまりよく知らないのが正直な印象。そして、印象だけが強くなるのは無理もないかもしれません。
昔は日本でも120頭以上が飼育されていたが、今はラッコに会える水族館は日本に2か所だけ。
・マリンワールド海の中道(福岡県/福岡市)
鳥羽水族館には2頭いて、うち1頭は2021年に和歌山アドベンチャーワールドからきたそう。1984年に、日本で初めてラッコの繁殖に成功。
2004年生まれのメイ、2008年生まれのキラ。
マリンワールドには日本唯一のオスであるリロがいる。リロも2007年生まれ。
3頭とも高齢ですね。飼育下のラッコの平均寿命が20年前後と言われているそう。
ラッコは乱獲や気候変動で個体数の減少があり、輸出にも制限がされている。
つまり、この現状を考えると後10年もすれば日本の水族館でラッコを見ること自体も難しくなるのかもしれない。
今回、この本を読んでいて感じたのは水族の本当の姿についてよく知らなかったという事。ラッコは可愛くて愛らしい生き物。そういったイメージが強すぎる。そしてもし映像で見るとしても、イメージの部分もあり、どうしてもそうした部分を放送するだろうし、実態について知る機会は少ないだろう。
ラッコはイタチ科の仲間であり、凶暴性な一面もあるし、とても神経質な部分もある。交尾ではあまりの激しさにケンカしているような様子とも言われることもあるし、些細な事でストレスで死んでしまうこともあるよう。
ラッコは極寒の海で生きているが、脂肪が少なく、大量にごはんを食べることで体温を上げて体温低下を防いでいるし、毛づくろいを全力で行うことで、気密性の高い毛によって体温低下を防いだり、海に浮かんでいることができるそう。ラッコの体表面の毛の量は8億本らしく、人間の髪の量が10万本らしいので、いかに毛の量が多いかよくわかる。
貝をお腹で割るイメージも、お腹以外に壁に叩いて割ることもあるようだし、本当の姿について学ぶ機会ってなかなかない。
人間は自分たちで勝手にイメージをして、期待して、期待を裏切られると残念がる。ラッコには関係ない話。そして、これってもちろんラッコに対するイメージだけではなく、他の動物たちにも言えることだし、私たち哺乳類である人間が他人に対するイメージも同じではないか。
他人の気持ちなんてものは100%分かりきることなんてできないし、分かりきれないから理解しようと努力するのだと思う。それでいいんだと思う。皆、それぞれ唯一無二の存在で、一卵性の双子だってまったく同じなわけではない。
この本を読むことで水族に対する理解についてきちんと考えようと思ったし、それと合わせて人間に関することも考えされることになった。シリーズになっているので、引き続き読んでいきたいと思います。