デトロイト美術館の奇跡 原田マハ
前に読了した原田さんの作品で、「風のまじむ」という南大東島でラム酒を作る物語。この作品の読み終わった後の爽やかさ、心地よさが好きでそれから何作品か読みました。原田さんは大学で美術史科を卒業し、美術館でも働いたことのある方。
だから今回の作品もそうだが、「楽園のカンヴァス」や「暗幕のゲルニカ」などの美術系作品も多く出版されている。正直に言うと、美術はあまり・・・という苦手意識もありなかなか手を出さずにいたのだが、このデトロイトの奇跡は文庫で120ページほどの作品で試しに読んでみようと思った。
デトロイト市の財政破綻という実際に起きた事象を基に作った作品で、多くの人が作品に魅了されており、その作品を守りたいという思いが伝わったし、そうした思いは昔から受け継がれてきてたんだなって感じた。
美術にあまり興味がない自分でも美術館に足を運んでみたくなる気持ちにさせられた。原田さんの作品を読むと、いつもその場所に訪れたくなるし、旅をしたくなるし、足を運びたくなる。その場所に住む人々の暮らしや思いや、誇りなどが描かれているので、そうした人たちにも興味がわいてくる。
また、作品中にミノル・ヤマサキの名前が登場するが日系アメリカ人で、あのワールドトレードセンターに飛行機が突っ込み倒壊させられたあのビルにも携わっていたよう。
今作品のカバーは夫人のオルタンス。《画家の夫人》としてデトロイト美術館に保存されている。
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