本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

腎臓が寿命を決める  黒尾誠

自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部教授。

1991年、実験中に突然変異マウスを見つけたことを発端に、余分なリンを腎臓から排出させる老化抑制遺伝子「クロトー」を発見。

 

黒尾さんはマウスの実験でリンという物資が老化を加速させるのではないかと突き止めた。リンは人体には必要な物質だが、摂取しすぎると腎臓の機能を低下させるなど様々な要因を引き起こすと確信している。

 

そもそもリンって? 高校の理科の元素記号を覚える時、水平りーべー僕の船、ななまがりシップスクラークか。こんな感じでよく覚えたもので20数年経った今でも覚えているものですね。これは元素記号の20番までの覚え方。

リンは元素番号15でPと表記される。

 

そもそも人間の祖先って?よく猿人類を浮かべますが、もっともっと遡ると海にいたんですよね。人間には細胞が60兆個あって、その中にはミトコンドリアや核といった理科の実験で出てきそうな言葉があって、その細胞が細胞外液という限りなく海の成分に近い水(生理食塩水)の中に浮かんでいて、その間に血管が流れ、各細胞に必要な酸素や栄養を送り届けている。

 

下の成分を見ても海の成分と人間って近いんだなって思うと思います。

海水と人体の10大元素

1水素 2酸素 3ナトリウム 4塩素 マグネシウム 6硫黄 7カリウム 

8カルシウム 9炭素 10窒素

 

人体

1水素 2酸素 3炭素 4窒素 5ナトリウム 6カルシウム 7リン 

8硫黄 9カリウム 10塩素

 

ほとんど成分が似ているのがわかると思います。そして、人体にはリンが含まれています。つまり、どこかの過程でリンを蓄えるようになったのです。体にリンを大量に蓄えるようになった最初の生き物は硬骨魚類だそう。約4億年前に進化したといわれる。それ以前の生物の骨は炭酸カルシウムや軟骨なキチンという比較的軟らかい物質でできていた。これに対し、硬骨魚類は、リンをリン酸カルシウムという形で骨に大量に蓄えるようになった。今の人間においても歯の構成物質だったり骨に蓄えれており、丈夫という事は想像できますね。

つまり、この強度なリン酸カルシウムをもった硬骨魚類の中に、外敵がより少ない陸上に上がろうとし生物が現れた。硬くて丈夫な骨は、水の浮力がなくても重力に抗って陸上で体を支え、動き回ってエサを探したりすることが可能になった。

 

リンは人間の体を支えるために重要な物資であることは間違いなく、骨にあれば悪さをしないが、血管内に大量に流れ出してしまうと血管を傷つけたり、腎臓へ負担をかけてしまうことになると黒尾さんは本書で話をされている。

人口減少が急速に進む中、1人でも多くの人が平均寿命ではなく、健康寿命を延ばすということに意識がいってピンピンコロリの世の中になることがいいなと個人的に考えています。そのためにも運動や食事について十分注意してください。

詳しくは本作品をよむと良くわかるのでぜひ。