丘の上の賢人 原田マハ
好きな作家の1人でもある原田さん
今回の作品は「おかえり」こと丘えりかさんが主人公の旅屋おかえりシリーズの札幌編。そして今回の作品に登場するのはさっぽろ羊ヶ丘展望台やモエレ沼公園といった丘がある場所が舞台になっています。
そしてモエレ沼公園といえば世界的に有名な彫刻家イサム・ノグチが基本設計し「全体をひとつの彫刻作品」とするコンセプトのもと、1982年に着工し、2005年にグランドオープン。モエレ沼をチョイスするあたりが原田さんらしい!と思いました。
モエレ沼公園は私も過去札幌に行ったとき、2~3回訪問したことがあります。大学時代の友人たちと、そして子供を連れて行ったときと。とにかく広い公園です。
空から俯瞰的に見ても、その美しさが伝わりますね。ホームページより抜粋した2000分の1の模型図。
その公園の中でもシンボル的な存在になっているのが、モエレ山かなと個人的には思っています。
札幌市東区唯一の山。高さ52m(標高62.4m)。山といっても不燃ごみと建設残土を積み上げ造成された人工の山で、登り口は3方向5ルートある。
この山のような丘が今回の作品にも登場します。
めぐみさんが高校時代に大学生の純也さんと大通り公園で出会う。そして2人は羊ヶ丘公園で将来を約束する。しかし、2人には家の事情もあり、約束を叶えることができなかった。しかし、長い時を経て、モエレ沼公園の丘の上でただひたすらに座り、若者に蹴ったりされるもひたすら座り続ける男の姿がyoutubeで公開されていた。その男の正体は純也さんなのか。姉との確執もあり、地元の札幌に戻れないめぐみさんは旅屋に依頼することになる。
最後は泣きました。ぜひ読んでみてほしいです。