書籍 回廊亭殺人事件
回廊亭の殺人が1991年に刊行され、1994年に文庫化の際に『回廊亭殺人事件』に改題。東野圭吾さんの初期の頃の長編推理小説である。同時期の作品としては、「仮面山荘殺人事件」や「ある閉ざされた雪の山荘で」でなどがある。
概要
一代で財を成した一ヶ原高顕(たかあき)が死んだ。妻子を持たないためその莫大な財産の相続にあたり、遺言状が一族の前で公開されることになった。公開場所は旅館【回廊亭】。一族の他には、菊代という老婆が招待されている。だが、菊代の真の目的は、半年前に起きた心中事件の真相を探ることであった。遺言書の公開前日に第一の殺人事件が起こる。
感想
ストーリーは菊代という老婆が主軸になって話が進められていく。この老婆の正体は早い段階で明かされており、半年前の心中事件の復讐のために、死んだ高顕の学校の先輩であり、経営のよき相談相手だったの本間重太郎、その夫人として変装して、一族が集まる場所に潜入した。そして、事件の真相を調べ、復讐するという計画をもって。
そのため、30代である女性が老婆に変装しているため、ばれるのではないかという心情が所々にでてくるため、読みながらドキドキを覚える。しかし、いくらメイクを訓練し、声もそれらしく見せたとしてもなかなか無理があるのではという読者の感想だが、その点に関しては何人かが徐々に異変に気付き始める。そうした部分も引き込まれていく感じであった。
最後に犯人はもちろん分かるのだが、実は2名が共犯している。1名は読みながら少し怪しいかもと推理できたが、もう1名に関してはほんのわずかな伏線は途中にあったが、まさかそこ!?という感じでクライマックスになるまでわからなかった。
そして、半年前の事件に関しても想像したものより複雑でその辺りの巧さが東野さんの作品といえる内容であった。
著書
テレビドラマ
2011年にテレビでも放送された。
キャスト
常盤貴子、田中圭、北村総一郎、田中哲司、内藤剛志、国生さゆり、とよた真帆
など早々たる面々が出演していたよう。今度、是非とも見てみようと思います。