本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

モンスター 小西晴彦

札幌東高等学校を卒業し、中央大学文学部を経て、35年間高校教師。 その後、現在網走でカフェ7つの海のマスターをされているという小西さん。 tabelog.com 北海道を舞台にしているという所と、表紙にインパクトがあり読んでみました。 様々な要素が入ってい…

機械仕掛けの太陽  知念実希人

看護師として働いて、コロナ禍を過ごしてきました。 みんな自分に余裕がなくなりました。 マスクの徹底や消毒、三密の回避など、できることは徹底し、病院での食事会は現在進行中でなくなり、つい最近まで市外に出るにも上司へ報告、不安なら検査の実施。面…

スクラップ・アンド・ビルド  羽田圭介

芥川賞受賞の作品。羽田さんの作品は初めて読みました。 要介護老人の祖父と無職の孫である健斗。 祖父は体もあちこち痛い、思うように動かんと嘆き「早う死にたか」と毎日のようにつぶやく。祖父と母と暮らす健斗は行政書士の資格取得に向け勉強しつつ、一…

私が先生を殺した  桜井美奈

タイトルに惹かれ、読了しました。 全部で5章で構成。各章では砥部律、黒田花音、百瀬奈緒、小湊悠斗、奥澤潤という人物が中心になって物語が展開されていく。 「ねぇ・・・・あそこに誰かいない?」 昼休みに避難訓練で集合した全校生徒や教師。その中の1…

屑の結晶  まさきとしか 

タイトルだけ見たらどんな屑な人間の物語なんだろう。とだいぶタイトルにミスリードさせられた感じ。確かに序盤に出てくる小野宮という人物は2人を殺害したと連行される際にピースサインで笑顔を見せる。会話でもチャラチャラしていて、どこに本質があるのか…

天久鷹央の推理カルテⅡ ファントムの病棟  知念実希人

天久鷹央シリーズの第2弾。ずいぶん前に1弾を読んだ記憶がある。 あめく・たかおは診断に関することは天才的な女医だが、それ以外の事はまともに採血もできないし、他人の気持ちを推し測るようなことができないので、まともにコミュニケーションもとることが…

ウォーレン・バフェット 賢者の名言365 桑原晃弥

ウォーレン・バフェットを投資の世界で知らない人はまずいない。 投資の事を詳しく知らない人でももしかしたら名前くらいは聞いた事があるかもしれない。それほどまでに影響力のある人物である。 コロナ禍の際にも、日本の株も可能性があると日本の商社株に…

ひとつむぎの手  知念実希人

久しぶりに知念さんの本、読みました。 知念さんの作品は医療系が多いですが、医療とミステリー、医療とファンタジーなど組み合わせのものが多いです。 今回の作品は大学病院で巻き起こる派閥のような権力争いのようなものが中心なのかと思い進めると、後半…

完璧な母親  まさきとしか

この本を読み終わったとき、色んなことを考えさせられた。 第1章では夫と6歳の息子、そして妻の友高知可子の話。知可子の視点で物語は進んでいく。知可子は数年の流産を繰り返した後、諦めかけた時に息子を授かった。そして幸せな家族であった。しかし、悲…

絶叫城殺人事件  有栖川有栖

有栖川さんの作品を初めて読了。 1959年大阪生まれ。同志社大卒で書店勤務を経て、89年「月光ゲーム」でデビュー。作風から「日本のエラリー・クイーン」と呼ばれ、ロジカルな謎解きに定評がある。 エラリー・クイーンはアメリカの推理作家。同名のエ…

火のないところに煙は  芦沢央

芦沢さんの作品を読むのは罪の余白以来で久しぶりです。 今回の作品は6話で構成されており、1つ1つは独立した短編のようになっている。しかし、その話をじっくり読むと経時的に紹介されているようだが、それぞれに重要な言葉がちりばめられていて、1人の…

新しい「足」のトリセツ  下北沢病院医師団

日本で唯一の足専門の病院、それが下北沢病院。 アメリカには足の専門である足病医(ポダイアトリスト)がいる。 しかし、日本では足でも水虫なら皮膚科、外反母趾なら整形外科医、下肢静脈瘤は血管外科というように分かれることがほとんど。 理事長の久道医…

俺たちは神じゃない  中山祐次郎

中山さんの本は泣くな研修医シリーズで知り、医療の現場、医師の実情をリアルに描いていて非常に好きです。 今回もその中山さんの作品に触れてみることにしました。 剣崎啓介と松島直武。2人は麻布中央病院に勤務する中堅外科医。 2人の歩んできた道は違えど…

泣くな研修医シリーズ  中山祐次郎 

前回、泣くな研修医読了しました。 そして、この本はシリーズになっていて 「逃げるな新人外科医」、「走れ外科医」、「やめるな外科医」と進んでいきます。 そして、このシリーズの0という位置になるのか、最新作は「悩め医学生」という薩摩大学医学部時代…

ちょっと一杯のはずだったのに  志駕 晃

1963年生まれ。 第15回「このミステリーがすごい!」大賞・隠し玉作品『スマホを落としただけなのに』にて2017年にデビュー。 続編のシリーズに囚われの殺人鬼、戦慄するメガロポリスなどがある。 kitanoatuo.hatenablog.com kitanoatuo.hatenablo…

泣くな研修医  中山祐次郎 

中山先生は1980年神奈川県生まれ、2浪し鹿児島大学医学部へ。 その後、都立駒込病院大腸外科医、福島県・高野病院長を経て、郡山市・総合南東北病院外科医長、現在は神奈川県湘南東部総合病院外科に勤務。 本作では、鹿児島県出身で家はさつま揚げ屋で、鹿児…

スマホはどこまで脳を壊すか  榊浩平

今や現代人にとってスマホは手放せなくなっている。 令和3年度の総務省の調査では約7割がスマホを保有している。 2021年の調査(メディア利用の時間調査)で全体の利用時間は1時間18分という結果に。特に20代は男女とも利用時間が最も長く、共に3時間半近く…

リアルフェイス  知念実希人

今回の医師は形成外科医です。 知念先生は現役の医師で、作家でもあります。いつも楽しく読ませてもらっていますが、色んなジャンルの医師を題材にしていて、その科特有の事件を物語にしており本当にすごいと感じながら読ませてもらっています。 このリアル…

十字架のカルテ  知念実希人

弓削 凛(ゆげ りん)は新人医師で精神鑑定医を目指していた。 凛は精神鑑定の第一人者と言われる影山院長に弟子入りし、統合失調症 詐病、統合失調症に類似した薬物中毒患者、解離性同一性障害、罪を犯してしまった人間の心の闇を鑑定し、その闇の真相に迫…

ある女の証明  まさきとしか

まさきさんの本を久しぶりに拝読。 貴和子というキーワードになる女性を中心に物語は全部で5章で構成。 それぞれの章ではメインとなる人物は異なるが、貴和子という人物を通して関連している。 そして2015年の北海道苫小牧の衝突事故から徐々に過去に話…

自分の脳に合った勉強法  小沼勢矢

自分もそうなんですが、職場でも家でも、ほらあれあれ、あの人とかすぐに名前が思い出せなくてついあれとかそれとか使うことないですか?便利な言葉ですよね。 年だな~とかとりあえず加齢のせいにして。 そもそも「人間は忘れて当たり前の生き物である」と…

ムゲンのi 知念実希人

知念さんの作品でも気にはなっていたけど、なかなか手に取れなかった作品。上下巻なので覚悟を決めないとなかなか・・・ 読んでみたら、上下巻気にならないくらい読み入ってしまいました。 医療×ミステリー×ファンタジーという感じですかね。 最初は識名愛衣…

崩れる脳を抱きしめて  知念実希人

久しぶりに知念さん作品読みました。 宮崎に勉強会があってその帰りの飛行機の中で読んだのですが、人がいるにも関わらず泣きました。もちろん静かにですが、読むと涙が止まらないんです。 研修医の碓氷が脳腫瘍を患うユカリと出会う。心に傷を持った二人は…

11文字の檻  青崎有吾

青崎さんの作品は今回初めて読みました。 短編集になっている作品でしたが、「加速していく」、「噤ヶ森の硝子屋敷」は印象に残りました。加速していくはJR福知山線脱線事故を題材にしています。2005年4月25日9時18分頃、塚口駅~尼崎駅間の制限速…

丘の上の賢人  原田マハ 

好きな作家の1人でもある原田さん 今回の作品は「おかえり」こと丘えりかさんが主人公の旅屋おかえりシリーズの札幌編。そして今回の作品に登場するのはさっぽろ羊ヶ丘展望台やモエレ沼公園といった丘がある場所が舞台になっています。 そしてモエレ沼公園と…

天使の柩  村山由佳

村山由佳さんと言えば「エンジェルス・エッグ」とすぐに思い出すくらい有名だ。 昔、読んだ記憶がある。しかし、内容についてはかなりおぼろげだ。 その天使シリーズの最終章にあたるのが今回の天使の柩である。 あいだに天使の梯子もあるそうだが、いきなり…

サイレント・ブレス  南杏子

大学病院で働く倫子は、在宅で最期を迎える患者専門の訪問クリニックへの左遷を命じられた。慣れない在宅医療にとまどいを感じながらも様々な患者の死に触れるたび、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けする医療の大切さに気付く。 乳がんの45歳女…

いのちの停車場  南杏子

www.youtube.com 原作読んでみました。 東京の救急救命センターで働く咲和子は、故郷の金沢に戻り「まほろば診療所」で訪問診療医になる。在宅での老老介護、四肢麻痺のIT社長を通じて在宅でできる最先端技術を模索、小児がんの少女とその両親との残された日…

働く男  星野源

星野さんと言えば、歌も上手で演技もうまい。そして、奥さんも綺麗。 音楽家で俳優、文筆家として活躍される星野さん。 その星野さんが過剰に働いていた時期の自らの仕事を解説した1冊。 映画連載エッセイ、自作曲の解説、手書きコード付き歌詞、ピースの又…

究極の疲れないカラダ  仲野広倫

仲野さんは米国政府公認のカイロプラクティックドクター。ロサンゼルス生まれで日本育ち。アメリカ最新のスポーツ医学、機能運動性を回復することで長く元気に生きる機能運動医学を世界へ伝えるために出版、セミナー活動も精力的に行っている。 この本を読む…