本好きナースマン

色んな本を読んで日々の生活に潤いを与えています。目指すは年間100冊読了。

小説

彼女たちのいる風景  水野梓

今回紹介する水野さんは東京生まれ。 早稲田大学卒業し、オレゴン大学を経て日本テレビに入局。 社会部デスクを経て、国際部デスク。系列の新聞社で医療・社会保障・教育の編集委員も歴任された。 高校時代から仲の良かった、凛、美華、響子。 それから時間…

まぐだら屋のマリア 原田マハ

東京・神楽坂の老舗料亭「吟遊」で修業をしていた紫紋。 しかし、吟遊では料理の使いまわしなど偽装を行っていた。 紫紋自身もその真実を知りながらも、田舎の母のためにも目をつむることしかできなかった。そんな真実に耐えきれなくなったのは仲居だった晴…

鯨の岬 河﨑秋子

久しぶりに河﨑さんの作品を読了。 全2編が収録されており、うち1作品がタイトルの鯨の岬。 札幌の主婦奈津子は、孫が見ていた動画「鯨が腐敗爆発する」を見て自分の記憶の中から腐敗する臭いを思い出す。自分も体験しているはず。と 奈津子は釧路の施設に…

不死症(アンデッド)  周木律

表紙怖すぎ・・そしてインパクトありまくり。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a; b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript ||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)}; c.getElemen…

ひまわりと仔犬の7日間  平松恵美子

神崎彰司が働く保健所に、野犬として畑を荒らしている犬がいると連絡があり、捜索に出る。犬には子犬が3匹おり、必死で3匹を守っていた。神崎らは母犬と子犬を収容した。母犬は近寄る人間に警戒し、激しく吠え、子犬たちを守る。4匹を守りたいと思うも収…

湯を沸かすほどの熱い愛  中野量太

余命が2、3か月。そう言われたら自分はどうするだろう。 若くて、子供も成人していないのに。 きっと受け入れようとして、受け入れられないだろうなと思う。 幸野双葉は突然、余命2か月の宣言を告げられる。 双葉は今しなければいけないことをどんどん実…

デトロイト美術館の奇跡  原田マハ

前に読了した原田さんの作品で、「風のまじむ」という南大東島でラム酒を作る物語。この作品の読み終わった後の爽やかさ、心地よさが好きでそれから何作品か読みました。原田さんは大学で美術史科を卒業し、美術館でも働いたことのある方。 だから今回の作品…

僕等がいた 高瀬ゆのか

2月14日はバレンタインデー。この年になると興味をなくなるイベントの1つだが、今回「僕等がいた」という作品を読んで、青春時代の頃を思い出し、なんだかほこほこする気持ちになった。作品にも恋すると肉まんのようなほこほこな気持ちになると登場する…

大きな文字でもう一度読みたい文豪の名作短編集

昔、教科書で習ったことのある文豪の作品って結構多い。名前とタイトルは思い出せるのに内容はほとんど忘れてしまっている。これは教科書で断片的に読んだだけで、試験のために名前とタイトルをなんとなく覚えたという事が大きい。 この作品には トロッコ 芥…

ランドリー  森淳一

コインランドリーで洗濯物を見張る仕事をしているテル。 小さい頃の頭のケガで物事を忘れたり、周りとのコミュニケーションもうまく図れない。そんなテルは、コインランドリーに忘れ物をした水絵に物を届けたことをきっかけに知り合う。水絵は東京に憧れ、上…

本性  伊岡 瞬

40歳独身の尚之は、お見合いパーティーで(サトウミサキ)と出会う。 彼女の虜となり、逢瀬を重ねる尚之だが、結婚の話が進むにつれミサキは不審な行動を見せ始める。一方、若手刑事の宮下は、一匹狼のベテラン・安井の相棒として、焼死事件を追っていた。…

西洋菓子店 プティ・フール  千早茜

今年の直木賞、芥川賞ともに2作ずつ受賞しました。 直木賞を受賞した作家の1人が千早さんです。 北海道の江別市出身で、現在は京都に在住されている。 その千早さんが「しろがねの葉」で直木賞を受賞したのだが、舞台は島根県の石見銀山。戦国時代末期の石見…

誘拐遊戯  知念実希人

色々と知念さんの作品読んできて、どれも好きだけど、今回読んだ誘拐遊戯は個人的に3本の指に入るくらいの面白さで、ストーリーや真犯人の衝撃度も高かった。 もともと「あなたのための誘拐」という作品を改題し「誘拐遊戯」にしたという事だが、遊戯って遊…

がん消滅の罠 完全寛解の謎  岩木一麻

作者の岩木さんは1976年、埼玉生まれ。 国立がん研究センターや、放射線医学総合研究所で研究に従事されていた。 現在は医療系出版社で勤務している。 さすが元がん研究者というだけあって、がん治療の最前線の内容が記載されつつ、そのがん治療という分…

硝子の塔の殺人  知念実希人

医療系のミステリを多く扱う知念先生の作品は好きです。 今回も硝子の塔の殺人読んでみました。 犯人の動機までは解明できなかったが、本当の真犯人の予想は当たり、建物の秘密も途中でもしかしたら??と思って読んでいたら当たりました。 それ以外は全然で…

JK 松岡圭祐

愛知県出身の松岡さん。 デビュー作の「催眠」がミリオンセラーに。 「千里眼」シリーズは累計628万部以上。 他にも「万能鑑定士Q」シリーズや「探偵の探偵」シリーズ、「高校事変」シリーズなど人気シリーズが多数ある。 今回、松岡さんの作品を初めて読…

SLやまぐち号殺人事件  西村京太郎

2023年、一番最初に読んだ本です。 西村京太郎さんといえばテレビの2時間ドラマとかでも放送されるし、あまりにも身近すぎる作家さん。ですが、身近すぎる故、本では読んだことがありませんでした。 新年一発目という事もあり、読んでみました。 そして…

水族館ガール②

水族館ガール3巻まで読みました。 主人公の嶋と梶の恋愛については2人とも不器用で共感しづらい所は多いですが、水族館の事をしる本としては勉強になることも多いです。 1~2巻ではイルカがメインでしたが、3巻になって嶋が臨時でラッコの担当をするこ…

5分シリーズ  5分後に緊迫のラスト

今の時代、時間の単位が時間から分単位になっている。それだけ、時間を意識しているのか、時間に追われているのかはわからないが。 昔の歌謡曲とかでは前奏で1,2分は当たり前で音楽に聞き入る準備の時間もしっかり楽しむという感覚。しかし、今はTikTokな…

彼女が最後に見たものは  まさきとしか

クリスマスイブの夜、新宿区の空きビルで女性の遺体が発見された。 50代と思われる女性の着衣は乱れ、身元不明。 警視庁捜査一課の三ツ矢と戸塚警察署の田所は再びコンビを組み、捜査に当たる。 そして、女性の指紋が1年4か月前に千葉県で男性が刺殺され…

さよなら転生物語  二宮敦人

1985年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。 奥さんは9歳下の奥様で、結婚したときは東京芸大彫刻家の2年生だったそう。 奥様との出会いを機に書いた「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」が累計40万部のベストセラーに。 今回、初めて二…

水族館ガール 木宮条太郎

1965年兵庫県生まれ、京都大学文学部出身。 金融機関で15年間勤務し、2003年新人シナリオコンクールで佳作入選、2005年、ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。2016年、「水族館ガール」が松岡茉優、桐谷健太主演でドラマされる。…

アンマーとぼくら 有川ひろ 作品の旅先を辿る

母の予定に付き合う約束で沖縄に里帰りしたリョウ。 実の母は小学生の頃、癌で亡くなった。悲しみの傷もいえないリョウ。そんなリョウをよそに父は母の死後から1年余りで沖縄の女性と恋をし、再婚することに。 リョウは札幌から沖縄に移り住むことになるが…

罪の余白  芦沢 央

芦沢 央(あしざわ よう)さんは1984年の東京都出身で自分も1984年生まれなので勝手に親近感を覚えています。 高校時代(2000年頃)デビューまで12年間、雑誌投稿や文学賞への応募を続け、2012年本作「罪の余白」でフロンティア文学賞を受…

神のダイスを見上げて  知念実希人

2023年10月、地球に巨大な隕石(小惑星ダイス)が地球に接近。 衝突すれば地球は消滅する。人類滅亡の恐怖に世界が怯え混沌とする中、 漆原亮の姉、圭子が殺害された。母を癌で亡くし、父は家に寄り付かない人間であり、兄弟2人で力を合わせ助け合っ…

時限病棟  知念実希人

知念さんの病棟シリーズの第二弾。 第一弾は仮面病棟で映画化にもなった作品です。 kitanoatuo.hatenablog.com 今回の時限病棟は第二弾といっても、作品中に出てくる人物は前回とはほぼ異なります。一部、前回の作品に絡む人物はいますが。しかし、舞台が以…

あなたは、誰かの大切な人  原田 マハ

夏も終わり全国的には紅葉の季節でしょうか。北海道はすでに紅葉も終わりにさしかかり、朝晩の冷え込みも厳しくなってきました。 昨日は、皆既月食と天王星食が同時に見られるということで、子供たちを連れ、玄関の外に。皆既月食はきれいに見えました。子供…

ラーゲリより愛を込めて  辺見じゅん

ダモイ(帰国)を信じて・・・ 友人より、勧められて読みました。一気読み必死。そしてハンカチも必須。 子供の病院受診の付き添いで待合室で待っている時にクライマックスを迎え、読みながら涙が出てくるんです。 12月9日に二宮和也さん、北川景子さん主…

卯月の雪のレター・レター  相沢沙呼

相沢さんの短編集です。 全部で5章の構成となっています。 その中でも「小生意気リゲット」好きでした。 両親が亡くなり、就職を機に姉は妹を引き取ることを決めた。 もともと仲のよい2人であったが、最近になって妹が冷たくあたるようになった。 姉には理…

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年  村上春樹

今までけっこうな本を読んできたつもりだ。ビジネス書や哲学書、小説と気になった本は手にして読んできた。まだまだ読み足りないくらい。1つの本を読めば、知らない事を増え、新たな事を知りたくなるし、その作者の別の書籍も気になる。 村上春樹さんといえ…